若狭湾の生き物調査・若狭湾体験をしよう!

2日目の最初は、阿納海水浴場に集合し、一般社団法人うみからの渡辺幸太さんに若狭湾に生息する生き物調査の方法について学びました。海の中を観察する時は、いきなり網を入れないで、まずは目でよ〜く観察することが大事。一体、どんな生き物がいるのか、子どもたちもワクワクです!

タモ網と呼ばれる網を海の中にそっと入れて引き上げます。最近は「磯焼け(いそやけ)」という現象で温暖化の影響で海中が熱くなりすぎたことで、海の中の生態系が変わってきているそう。磯焼けが進むと、海藻が減少し、海藻がなくなることでそれをエサにしている生き物が減ってしまうのです。観察の際、漁業権で守られている海藻、ウニ、タコ、ナマコなどの生き物が採れた時は、海に返すようにしましょう。

ウニや小さなカニ、ホンダワラという海藻など、様々な生き物が引き上げられた中で、クラゲを発見!ここまで透明な色だとは思わず、子どもたちも大興奮。もし、この調査の結果、生き物の種類が少なくかたよっているならば、多様な生態系が壊れてしまっている証拠になります。今回の調査では、たくさんの生き物が見つけられて、ほっと一安心。
*刺す危険性のないクラゲであることを確認の上、触れるようにご注意ください。

生き物調査が終わった後は、阿納パドラーズクラブの皆さんの指導のもと、シーカヤックに挑戦!初めてのパドルにとまどいながら、こぎ方を練習します。

波の上にこぎ出すと、思うように進まずにぶつかってしまうチームもありましたが、気持ち良い波の上のひとときはあっという間に過ぎていきました。実際に海を体で感じることで、若狭湾がさらに身近になっていきます。
シイラをさばいて料理しよう!

いよいよ、自分たちでシイラをさばいて、調理をして食べてみます!1日目に美味しいシイラ料理を作ってくださった浦谷さんや、ローカルフードレストラン「Kitchen Boo」を運営する高野さんなどに指導していただきながら、大きなシイラを三枚におろしていきます。

まずは、スチールウールという目の細かいたわしを使って、シイラの鱗を取り除いていきます。シイラの皮は厚く硬いため、見た目にはツルツルとした表面でも、しっかりと鱗を取っておかないと、調理することができません。

頭を取って、身を切り分けたら、早速チームごとに三枚おろしに挑戦!大きく肉厚なシイラに、恐る恐る包丁の刃を入れていきます。初めての経験でも、少しずつやってみるとちゃんとできるもの。高野先生も「上手にできてるよ!」と驚き。

今回は、シイラのソテーを作ります。皮目から焼いていくと、ジュ〜ッと良い音が。塩コショウをふって、味付けをしていきます。ひっくり返したらフライパンにフタをして、火が通るまで待ちます。おいしそうな匂いもしてきて、見ているだけでお腹が空いてきますね!

シイラのソテーの他に、浦谷さんが採ってきたイカを焼いたものとKitchen Booのお弁当で、海と小浜の幸をたくさんいただき、子どもたちのお腹は大満足になりました。
シイラ調査隊アクションパネルを作ろう!

最後は2日間を通して頑張った調査内容を、みんなで話し合ってまとめていきます。シイラが増えていることから温暖化の影響を知り、これから海面の上昇によって、砂浜が小さくなったり、洪水などの自然災害が多くなったりするなど、環境の変化も起きることを学びました。シイラという1匹の魚を通じて、若狭湾の今、そして、地球環境のことまで学んだことはたくさんありましたね。

シイラステッカーに「小浜の海を守るために取り組むアクション」を一人一つずつ書いていきます。たくさんの項目がある中で、自分ができることを考えました。
海を守るために自分たちができることは?
みんなも考えてみよう!

若狭湾にシイラステッカーを貼って…

「ゴミ拾いをする」「海藻を増やす」「ポスターを貼る」などなど、2日間の学びがあったからこそ生まれるアイデアで、若狭湾はいっぱいになりました!

そして、最後は、チームに分かれてまとめを発表します。3つの項目に分けて、みんなにわかりやすく伝えることができるでしょうか!?念入りに何度も練習をするチームもあり、真剣に発表に取り組む姿勢が見られました。

いよいよ本番!小浜市教育委員会 教育長・窪田光宏さんにお越しいただき、若狭シイラ調査隊が2日間で学んだことを発表しました。自分たちが実際に体験したからこそ、大きな声で自信を持って伝えられました。

子どもたちの深く広い考察と、多様なアクションのアイデアに窪田さんもびっくりした様子。一人一人のアクションが、小浜の海の美しさ、ひいては地球の未来を守っていくということを感じられました。2日間の調査、お疲れ様でした!